こんにち、「スコッティッシュ・カントリー・ダンス」ということばは、多くの伝統から発展し、スコットランド人はもちろん、スコットランド以外の人々によって世界中で踊られているスコットランドのソーシャル・ダンスを意味します。
RSCDSは常にダンスのソーシャル面の重要性を強調してきました。ですが、これはダンシングの正しいテクニック基準を守ることでもあるのです。すばらしい音楽、訓練されたダンシング、込み入ったフロア・パターン、そして社交性の独特な融合は、世界中の多くの人々にアピールしています。
スコティッシュ・カントリー・ダンシングはまさにスコットランド・スタイルのカントリー・ダンスで、おもに17世紀のイングランドのスタイルに由来しています。スコットランドの音楽を使い、列は“長ければ長いほどよい”形式で踊られるものでした。
18世紀のはじめ、スコットランドにおけるカントリー・ダンスの出現に続き、ダンスはスコッチ・リール、カドリール、ワルツのような他のダンスの特徴を取り入れて変化して行きました。ですが、摂政時代(1811-20)のカドリール浸透以降のソーシャル・ダンシングにおいて、イングランド・スタイルからのもっとも著しい変更は、今までにない正確なフットワークを強調した、ということです。RSCDSはいまでも正確なフットワークを求めています。
いうまでもなく、スコットランドには他のトラディショナル・ダンスがあり、この時代にカントリー・ダンスはそれまでのストラスペイ、リール、ラント、ジグからその特徴を取り入れました。結果としてダンスのスタイルはスコットランド社会になじんで行きました。「カントリー・ダンス」の優雅さと礼儀、そして古い踊りのエネルギーとステップの正確さが人びとに受け入れられたのです。
やがてイングランドではカントリー・ダンスは消えてしまいました。が、スコットランドではなお元気で生き続けていました。ダンシング・マスターたちは熟練のミュージシャンで、ヨーロッパ中を広く巡回し、新作、つまりカドリールやポルカなどのはやりのダンスを取り入れ、レパートリを広げました。